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はじめに

1996年3月、WebObjectsは米NeXT Software社から世界初のWebアプリケーションサーバとしてリリースされました。その後、アップルコンピュータ社によるNeXT Software社の買収により、WebObjectsもアップルコンピュータ社へ開発を引き継がれます。2000年にはそれまで5万ドルもした価格は699ドルまで下げられ、Mac OS X 10.4では開発ツールのXcodeと共に無償で提供されるようになりました。当初はObjective-Cで書かれていましたが、Mac OS Xへの移植の際にJavaで書き直され、技術面でも大きな変化がありました。

今ではWebObjectsの発売から10年が過ぎ、最新技術を貪欲に採り入れた競争相手も数多く登場しています。現在のWebObjectsはMac OS Xのみのサポートとなり、少々流行に疎いところもあって、どの競争相手よりも魅力のある環境とは言えなくなっています。それでもWebObjectsが使われ続ける理由の一つに、その高い柔軟性と生産性を支えるフレームワークの設計の美しさがあります。その一方で、フレームワークが高度に抽象化されているために、学習の敷居を高くしていることも否めません。

このチュートリアルでは、WebObjectsアプリケーションの開発について順序立てて紹介します。初心者にとってはもちろんのこと、すでにWebObjectsを日常的に使っているプログラマにとってもWebObjectsを理解するのに役に立つでしょう。もし今後WebObjectsを使う機会がなくても、WebObjectsから得るものは十分にあります。

ただし、このチュートリアルでWebObjectsを網羅することはできません。より深くWebObjectsを知るには和訳ドキュメントやWebObjectsの関連書籍を読んだり、実際にWebObjectsでアプリケーションを作ってみるといいでしょう。